スクラムの本は、雑に表現すると「こうやって実践すればスクラムはうまくいく!」という正解らしきものが書かれている。個人的にはこの本を今のタイミングで読んでの学びは正直少なかったが、この本は「スクラムがうまくいっていない状態」から議論が展開されるので、スクラムで行き詰まったり悩みを抱えた時にまず手に取る本として良さそう。
本書におけるゾンビスクラムの定義は以下4つ。
- ゾンビスクラムチームはステークホルダーのニーズを知らない
- ゾンビスクラムチームは早く出荷しない
- ゾンビスクラムチームは継続的に改善しない
- ゾンビスクラムチームは障害を克服するための自己組織化をしない
これを見る限り、今のところ幸いにもドキっとする項目はなかった。ただ、自分はそう思っても他のメンバーはそう思っていないかもしれない。
ソンビスクラムの定義をチームの共通言語にできると、ゾンビ化の予兆にいち早く気づくことができ、大事に至る前に軌道修正が可能になりそう。
本の中で出てきた「ゾンビスクラム診断チェックリスト」がヘルスチェックによさそうだったので、メモ的に残しておく。
「ゾンビスクラム診断チェックリスト」
- スプリントの終わりに検査する動くプロダクトがない
- スプリントレトロスペクティブは退屈で同じことの繰り返しになりがち
- スプリント中、チームメンバーはたいてい自分のアイテムに取り組むだけ
- プロダクトオーナーは、プロダクトバックログの内容や順序について、ほとんど何も言うことができない
- スプリントレビューにステークホルダーがめったに参加しない
- スプリントが上手くいかなくても、チームの誰も悪いと思っていない
- あなたの組織は「ビジネス」と「IT」を別物と考えている
- スクラムチームに楽しさやワクワク感がない
- デイリースクラムは、スクラムマスターが議長を務める進捗報告会にすぎない
- 最近のスプリントレトロスペクティブで最も重要な改善項目は、カフェテリアのコーヒーをよりよいものにすることだった
- 管理職は、スクラムチームがどれだけの作業ができるかにしか興味がない